「さあ、一緒にかえりましょう。」
…あなた、あたま大丈夫?
「ああ!そんな不審者を見る目つき!やめて!
そ、そりゃ10年も10年も!気づきませんでしたよ!
こっそり抜け出したのが上司にばれて今までしぼられ続けてたのは内緒なんだから!」
じゃ、私、忙しいんで。
「お、おまちなさい。
この機会をのがしたら、あなたは二度と私と戻ることはできないでしょう。
何年たとうとも、この世界は本当に何もかわらない。
苦しみばかりではありませんか…一緒に、帰りましょう?」
そうかな。
確かに、辛いことならたくさんたくさんあった。
たくさん怒ったし、たくさん泣いた。
幸せだったかと問われれば、「?」がついちゃう人生だったかもしれない。
でも、楽しかった。ううん、今だって楽しいよ。
私はずっと、一人ではなかったから。
「…わかりました。でも私もこのままほっておくわけにはいかないの。
それが例え力づくでも。」
ほー。それは話が早くて助かるわ。
「え。」
先に喧嘩売ったのはそっちだからね?
間違えないでよ?
「え、なにその悪い顔。え、どっからその槍。
ちょ、ま…っ――――
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「――くん!アリスくん!!」
ん…とりりん?私寝てた?
「悪い夢でも見てた?テーブルにつっぷしてすごいうなされてたけど。」
ん~~~~…。
よっく覚えてないんだけど、激しく不愉快な不審者にラデル撃ち込んだような。
そんな夢?
「え、なにそれずるい!俺もうたれたい!」
…。
「じょ、じょうだんだよ。
それよりも待たせちゃってごめんね!準備できたよ。」
そっか。じゃあ荷物とりに行ってくるから、先に玄関に行ってて。
「はーい。」
夢。
どこから、どこまでが?
『ま、いっか!』
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ちょっと頭が悪くてちょっと騒がしい。
どこにでもいそうな、そんな闇天がここにいました。
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